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ヴェニスの商人
*** 非常におおまかなあらすじ ***
舞台は、貿易都市として栄えた16世紀末(1596年)のヴェニス。

ある日、貿易商を営む紳士・アントーニオ(ジェレミー・アイアンズ)へ、
年下の親友バッサーニオ(ジョセフ・ファインズ)が借金を申し込む。
ベルモントに住む令嬢・ポーシャ(リン・コリンズ)にプロポーズするためだ。

しかし、今はあいにく全財産を掛けた貿易船が海上に出ていたアントーニオは、
自ら保証人となって、ユダヤ人の高利貸しシャイロック(アル・パチーノ)を紹介する。

シャイロックが出した条件は、
「3カ月の期限までに借金が返せなかった場合、アントーニオの肉1ポンドをもらう」というもの。
常軌を逸していると思いながらも、アントーニオは条件を承諾する。

金を手にしたバッサーニオは、難しい結婚の条件をクリアしてポーシャと結ばれた。

そんなとき、アントーニオの船が難破し、借金返済の目処が立たなくなる。
彼と、約束どおり1ポンドの肉を要求するシャイロックの闘いは、
法廷の場に持ち込まれることになった。

<公開>2005年10月29日
<原作>ウィリアム・シェイクスピア ※37の戯曲を書いた。
<監督・脚本>マイケル・ラドフォード

<劇中のユダヤ人への差別>
・土地を持つことを許されない。
・ゲットーの中に隔離される生活を余儀なくされる。
・外出時は、ユダヤ人を示す赤い帽子をかぶるのを強制されている。

<迫害理由>
・キリスト教徒から迫害の対象にされたのは、宗教の違いに加え、
 高利で金を貸す行為がキリスト教の教えに反するとみなされたからだった。

*** OFFICIAL SITE ***
http://www.venice-shonin.net/index.html
※「STORY」に、ラストまで載っています。

*** 感想 ***
金貸し業を営むシャイロックは、どこまでも悲惨な状態。

1.駆け落ちした娘・ジェシカ(ズレイカ・ロビンソン)に大金を持ち逃げされる。
 (しかも相手は異教徒)
2.普段、自分をユダヤ人だと蔑視して唾を吹きかけるアントーニオに、
 他から金を調達してまで貸しつけたのに、それを焦げ付かされ、
3.積年の恨みから、裁判にかけて正統な権利を主張しして、
 証文にかいた担保(アントーニオの肉1ポンド)をもらおうとすれば、
 法学博士からは「血を一滴も流さずに切り取れ!!」「1ポンド以上でも以下でもあれば、
 全財産没収で命は風前の灯」だと言われて愕然とし、金で諦めようとすれば、
 「いいや、どうしてもその命をかけて切り取らねばならぬ」とやり込められ、
4.挙句の果てに、憎んでいるアントーニオに財産の管理を奪われ、
 あまつさえ、その半分を自分の死後に、駆け落ちした娘の夫に渡すという。
5.ユダヤ教からキリスト教に改宗させられる。
 (財産どころか、心の拠りどころも奪われる。)
6.改宗させられたシャイロックは、ユダヤ人の仲間にも入れてもらえなくなり、
 孤独に雨のなか、虚ろな目で空を見つめるのみ。

*** 怒髪天ポイント ***
放蕩生活で財産を使い果たしたバッサーニオ。
アントーニオが保証人となり、金を手にした彼は、「人の金」で、豪華な衣装をつくるは、
ささげ物を調達するは。
さらに心がこもらない招待など嫌だというシャイロックを無理矢理呼んで、
「人の金で」ご馳走を振舞う。
そして、求婚は上手くいき、美貌の妻と莫大な財産を手に入れる。

アントーニオが、期間までに借金を払えずに、窮地に立たされる。
→バッサーニオ「倍にでも、10倍にして返してやる!!」とか言うわけですが、
 その金の出所は妻・ポーシャの亡くなった親が残した財産なのです。
 (どこまで人のフンドシですか? )

しかも、そんなダメ男なバッサーニオに尽くす妻まで、
親友のアントーニオが死ぬ代わりに「死んでもいい」なんて言います。
自分が天へ召されてください。)

「決して外さないで」と言われ、「死ぬまで外さない」と誓った指輪も、
親友を助けてくれた法学博士にあげてしまいます。

といいますか、法医学者は男装した妻・ポーシャだったので、怒りながらもいちゃいちゃして
終わり。
(・・・この妻も抹殺したい。 )

*** シャイロックの主張 ***
娘が駆け落ちすることを知っていて、黙っていた貴族の家に乗り込んだシャイロックは、
こう言います。

「私たち(ユダヤ人)も同じ病気をし、同じ薬で治る。」
「針で突いたなら、同じ血が出る」

裁判の席では、こう主張します。

「私たちにも奴隷として接するのではなく、同じ暖かなベットを、」
「同じく、おいしい食事を与えてください!!」

・・・このシャイロックの、どこが悪人なのでしょうか。
(悪人ではなくて、「強欲」というとらえ方なのかな。)
とても真っ直ぐで、人として当然な主張だと思います。

私は、本当に神がいるのなら、シャイロック以外の皆を罰してください!!と心の底から思いました。
これで、「シャイロックをやり込めたぜ!!拍手喝さい!!」で、「痛快だ」なんて思った人は、
いるのかなぁ。後味が悪いような。
(当時、偏見や差別が当たり前だった時代には、そうだったのでしょう。)

原作も、シャイロック災難続き、という風に感じるのか、再読してみたいと思います。
(私は、シャイロックは強欲でとても嫌なやつ、というイメージを持っていたのですが。 )

公式サイトに、こう書かれていました。
負の感情しか持ち得なかったことから破滅へ追いやられていく人間の悲しさ

確かに負の感情は、人を、というよりも、自分を一番に蝕みますよね。
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別窓 | 映画 | コメント:2 | トラックバック:0
200511092319
<<コピー | Wisp(ウィスプ) | 1リットルの涙 #05 「障害者手帳」>>
この記事のコメント
 
200511101450
志乃さん、はじめまして。コメント&トラバありがとうございます。

>映画はシャイロック視点なのでしょうか?

私は決して、シャイロックが中心という訳ではないと思ったのですが、自然とシャイロックに同情がいく作りになっている気がしました。
2005-11-10 Thu | URL | knp #pL4n2oU6[ 内容変更]

 
200511101508
>knp さま
 コメントありがとうございました。
 映画でも小説でも、何事に対しても、多角的に見られるようになりたいと思います。
 一夜あけて、自分の書いた記事を読むと、
 かなり感情的であることが分かります。恥ずかしい。 
2005-11-10 Thu | URL | 志乃 #mC9l1/mo[ 内容変更]

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